未来分子

立教大学には物理・化学情報処理機能を持つ知的応答機能分子材料を開発し、社会応用を目指す先端的な研究拠点があります。環境・エネルギー材料や電子材料、健康・医療用材料の各分野に画期的な進展をもたらすことが期待されます。

和田 亨わだ とおる

理学部 化学科 准教授
研究分野/無機化学、錯体化学
研究のキーワード/エネルギー変換、触媒、人工光合成

自然界では太陽光により植物が光合成を行い、二酸化炭素と水から糖質と酸素を作り出します。好気性生物は糖質と酸素を摂取して生命維持に必要なエネルギーを獲得し、排出した二酸化炭素と水は再び光合成に用いられます。このような自然界の仕組みを人工的に再現する技術を「人工光合成」と言い、近年の深刻なエネルギー・環境問題の解決につながる技術として期待されています。

我々の研究室では、水の光分解に必要な酸素発生触媒や燃料電池に用いられる酸素還元触媒、二酸化炭素の多電子還元触媒の開発を行っています。目的とする反応に合わせて高度に設計された錯体分子触媒により、エネルギー変換触媒という概念の確立を目指します。

社会とのつながり

〇特許 「ルテニウム三価アンミン錯体化合物」日本国 〇科学研究費補助金 新学術領域「人工光合成」公募班員 文部科学省 〇一般講演 「酸素発生触媒能を有する二核ルテニウム錯体の酸化還元挙動」 錯体化学討論会 2008年9月 など

枝元 一之えだもと かずゆき

理学部 化学科 教授
研究分野/表面化学
研究のキーワード/表面、薄膜、触媒

本学に設置されている未来分子研究センターが追求する未来分子(機能材料)開発の一環として、酸化物薄膜を合成する研究を行っています。ごく薄い(数原子層程度)の薄膜は、超薄膜と呼ばれます。金属表面上に酸化物の超薄膜を作成すると、低次元性、下地金属との相互作用などの効果が相まって、天然の三次元結晶では見られない構造や機能を持つ薄膜を生み出すことができます。

例えば、最近、我々は銀の表面上に二酸化チタンの二次元結晶を作成することに成功しました。これは三次元結晶と異なる構造を持ち、次世代の高活性光触媒として期待されているものです。このような研究を通じて、機能材料開発の新分野を開発したいと考えています。

社会とのつながり

〇共同研究 高エネルギー加速器研究機構 〇共同研究 東京大学物性研究所 〇学外委員 日本化学会関東支部 常任幹事 など

大山 秀子おおやま ひでこ

理学部 化学科 教授
研究分野/高分子構造と物性、機能性高分子材料
研究のキーワード/ポリマーアロイ・ブレンド・コンポジット、有機-無機ハイブリッド、環境低負荷材料

近年、高分子材料に求められる性能・機能が多様化し、単一の高分子に発現させるのは非常に困難となってきました。異なる性質を持った高分子種同士や高分子以外の物質(例えば無機物質)との複合化によってこそ達成しうる、というのが高分子材料の設計における考え方になっています。

Boeing 787の機体の半分に高分子複合材料が用いられた例からもお分かりのように、これまで金属材料が独占してきた分野においても応用が広がり、その重要性が増しています。当研究室では、このような高分子材料の可能性を追求すべく、環境低負荷で再生可能なバイオマス資源から合成される高分子や耐熱性/難燃性高分子らの高機能化に取り組んでいます。

社会とのつながり

〇受託研究 (独)産業技術総合研究所 〇共同研究 三井化学 〇招待講演 「ブレンド・アロイ化によるポリ乳酸の機能性付与」 高分子加工技術討論会(日本レオロジー学会) 2013年10月 など

森本 正和もりもと まさかず

理学部 化学科 准教授
研究分野/光化学、有機化学
研究のキーワード/フォトクロミズム

光の作用により化学反応を起こして可逆的に色を変化させるフォトクロミック分子について研究を行っています。フォトクロミック分子は、色だけでなく屈折率や電気伝導性などの分子物性や物質の形態をも変化させます。このような光によって誘起される双安定性を利用して新しい機能を創り出すことを目指しています。

例えば、分子物性の変化を利用した光メモリや光スイッチ、形態の変化を利用した光駆動アクチュエーターなどが挙げられます。フォトクロミック分子の光反応に基づく新現象・新機能の発掘と、そのメカニズムの解明に取り組むことにより、未来の科学・技術の発展に貢献しうる、価値ある光機能分子を生み出したいと考えています。

社会とのつながり

〇研究助成 「単分子メモリ機能を指向した光応答性金属錯体の開発」 倉田記念日立科学財団 〇研究助成 「フォトクロミック反応による有機強誘電体の光応答機能の創出」 住友財団 〇学外委員 Editorial Board International Journal of Photochemistry 誌 など

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