震災復興

東日本大震災の発生以来、立教大学では被災地域に寄り添いながらさまざまな支援を行ってきました。東日本大震災からの復興などに資する目的の研究助成も2011年度より開始。人文科学から社会科学、自然科学までの各領域から研究を展開しています。

杉浦 克己すぎうら かつみ

コミュニティ福祉学部 スポーツウエルネス学科 教授
研究分野/栄養支援と支援法の構築、食品・サプリメントの開発、ウエルネスの追求
研究のキーワード/食育、スポーツ栄養、震災復興支援

アスリートから一般人までを対象に、彼らのスポーツや健康上の目的達成のための「運動と栄養の最適化」を図る支援について研究しています。手法は対象者の行動変容を促すため、行動科学を用いています。支援を効率よく行ううえで必要となる食品・サプリメントの企画・開発も研究テーマの一つです。

また、東日本大震災の復興支援にも大きな関心を抱いています。被災地の仮設住宅に赴き、主に高齢者の活動量と栄養摂取状況を調査し、健康教室の定期的な実施により健康上の課題を解決するとともに、コミュニケーションや絆をベースとした新たなコミュニティ構築の可能性を探り、行政への政策提言につなげたいと考えています。

社会とのつながり

〇学外委員 科学サポート部門員 (公財)JOC情報・医科学専門委員会 〇学外委員 科学委員会委員 (公財)日本陸上競技連盟 〇学外委員 2002日韓ワールドカップサッカー日本代表栄養アドバイザー JFA など

村瀬 洋一むらせ よういち

社会学部 社会学科 准教授
研究分野/統計的社会調査法、社会階層研究、政治社会学
研究のキーワード/データ分析、社会意識、世界的な格差拡大

震災被害や震災後の生活について、大都市と郡部での違いや、人々の職業や学歴など社会階層による違いを解明するために、統計的社会調査を仙台市周辺にて実施しました。データ分析により、被害の実態を解明し、震災復興のために政策提言できるよう取り組んでいます。

仙台市では2011年秋に、無作為抽出により約2,000人を対象に調査し73%の回収率を得ました。分析の結果、古い住宅地のある沿岸部で被害金額が大きいこと、中小企業や自営業者において今後の生活への不安感が強いことなどが明らかになりました。被災地において、無作為抽出を伴う科学的な社会調査はあまり行われておらず、貴重な結果と考えています。

社会とのつながり

○研究交流 調査報告 韓国、台湾の大学 ○講師 統計分析の講習会 台湾 ○講師 公務員向け社会調査法講習会 東京 など

橋本 俊哉はしもと としや

観光学部 観光学科 教授
研究分野/観光行動研究、自然観光の効果分析、観光感性論
研究のキーワード/観光行動、観光心理、観光と五感

観光レクリエーション行動を多角的に分析してその特徴を明らかにする研究に取り組んでいます。特に近年は、自然地域での観光がどのような心理的・生理的効果を持つかについて研究しています。震災後の2011年夏からは、宮古市(岩手県)において、地域の魅力を再発掘する協同研究に取り組んでいます。

地域住民とともに地元の自然や生活文化の中にある「宝」を見出し、住民がその素晴らしさを再認識できるような、「観光の力」によって支援しようとする研究です。今年度からは、裏磐梯を持つ北塩原村(福島県)において、いかに風評被害を克服し、地元住民が元気になれるか、住民の方々と一緒に考えていく協同研究を進めています。

社会とのつながり

○学外委員 観光地域づくり体制強化促進事業 観光庁 2013年度~ ○学外委員 「人に優しい地域の宿づくり賞」選考委員会委員長 全国旅館生活衛生同業組合連合会 2009年度~ ○学外委員 常務理事 日本観光研究学会 2004年度~ など

村田 次郎むらた じろう

理学部 物理学科 教授
研究分野/素粒子、原子核物理学、重力
研究のキーワード/対称性、余剰次元、時間

時間には過去から未来へという特別な向きがあるのか、宇宙に物質より反物質が少ないのはなぜか、我々の三次元宇宙の外側に四次元以上の空間があるのではないか、ということを実験的に研究しています。主に、原子核崩壊、散乱などを自ら開発する放射線検出器を用いて観測します。原発事故由来の放射性物質の計測・定量評価の実践のほか、新たな計測手法の開発を行っています。

時間反転実験および原子核散乱による重力実験に用いる放射性ストロンチウム計測技術を応用し、環境中の放射能定量の非破壊・物理計測法の開発を進めています。計測時間を現状の一か月より数日に短縮しうる画期的な方法であり、原子核実験技術の応用として震災復興へ貢献しています。

社会とのつながり

○学外委員 企画委員 KEKサマーチャレンジ ○共同研究 「放射性物質の分布状況等に関する調査研究」分担研究者 文部科学省 ○学外委員 領域運営委員 日本物理学会 など

野中 健一のなか けんいち

文学部 史学科超域文化学専修 教授
研究分野/地理学、生態人類学、民族生物学
研究のキーワード/地域資源、環境利用、自然と人間の関わり

「自然と人間との関わり」を身近な環境や地域資源の利用から研究しています。日本・東南アジア・南部アフリカを中心に、現地の参与観察・聞き取り調査により、自然との関わり合いがもたらす健康的な生活構築、その知識・技術の人類の財産、自然に適応する智の価値を解明しています。

2011年以来、震災復興に関連して野生食物利用への影響の研究を進めています。特に、放射能汚染を受けたと
ころでは野生植物が利用できなくなっています。その実態を解明するとともに、住民が手軽に現地の諸データを地点情報として取得し共有するためのGPS・GISシステムを開発しています。自然に関わって土地に暮らすことへの安心・安全の一助ができれば幸いです。

社会とのつながり

○研究助成 「ラオスから発信する自然資源食料利用とその未来可能性」 トヨタ財団 ○講師 「世界の昆虫・昆虫食」 信州昆虫資料館 ○学外委員 顧問 全国地蜂連合会 など

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